イグールやコールマンの小型クーラーは、アメリカ人のお弁当箱だと、昨日ご紹介したのだけれど、僕の中での日本人のお弁当箱のイメージは、曲げわっぱ。 巨大なアルミ製のドカ弁も学生時代大分お世話にはなったが、やっぱりなんだか味気ない。
僕が使っているものは、大館の曲げわっぱだ。ある日、フラフラとデパートの食器売り場を歩いていると、製作実演をやっていた。元々職人さんのお仕事にはとても興味がある。子供の頃、鳴子に家族旅行へ連れて行ってもらったのだが、ただの木材がクルクルと回りシュルシュルと削られ次第にこけしになっていく実演に見入り。 他は見たくないと両親の手を焼かせた記憶がある。観光なのにねぇ。自宅の周りには多くの町工場があり、旋盤や絞りで形になっていくモノたちにあれこれ想像を巡らすのも好きだったなぁ。
ずいぶん話がずれてしまったが、この曲げわっぱ、その名前の通り秋田杉の板をクルクル曲げ輪っかにして作り上げる。曲げて重ねて糊付けして、最後の化粧に桜の皮で留める。 その木肌の美しいこと、肌触りの優しいこと、そしてその手触りの良さにどうにも魅了されてしまった。もちろん杉のとっても良い香りも欠かせない要素。これでご飯食べたら美味しいだろうなぁ……。ほとんど他にお客さんも居ず、実演しているオジサンとあれこれ話していると、炊けたご飯を入れておくお櫃も、凄く良く出来てることまで知ってしまった。お弁当箱は、薄い塗装がかけられているのだが、こちらは、生地をそのまま生かした仕上げ。
よりご飯の無駄な水蒸気を吸いあげてくれるのだ。底の隅は、ご飯が杓文字でよそいやすいように垂直に立ち上がるのではなく曲面に加工されている凝りようだ。こんな性格の私故、激烈に欲しくなるもののお値段も相当なもの。ヘタな説明をするよりも、見せた方が早いと翌日、家内を連れてデパートへ。彼女も納得したのか、家路へ向かう私の両手には、2段のお弁当箱1個、五合のお櫃、グイ呑み2個が携えられていた。実際の使い心地だが、まず、お弁当箱は軽く、暖かいうちにご飯を詰めても水蒸気を綺麗に吸いご飯が旨い。密閉はできない構造だから、おかずの汁気には要注意。
そしてお櫃は、最高だなぁといまだに思う。炊き立てのご飯を入れておいておくと、過剰な水蒸気は、本当に綺麗に吸い上げてくれる。蓋の厚みは2センチほどもあるのだが、吸った蒸気で表面にうっすらと汗をかくほどだ。今まで食べていたご飯は何だったの?と思えるほどの逸品である。最近、炭削り出しの超高価な炊飯器が売られていて、こちらにも興味があるのだが、炊飯器以前にお櫃の導入をオススメしたい。炊き上げるのは炊飯器、保温したらご飯は間違いなく不味くなる。旨いご飯には、お櫃が必須ですと、必要以上に力説したところで、曲げわっぱの話は終了です。
そういえば、あまりのご飯の美味しさに家内の実家にもプレゼントしたのであった。
ちなみに栗久さんのホームページを見ながら、家内にこのフルーツバスケットも欲しかったねと話したところ、「あれ買うだけでも精一杯」とあきれ顔で怒られた。確かにびびる値段ではあった。
綺麗な新品は、こちらでどーぞ。
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