今を去ること何年前かは忘れたが、ちょうどリッチウェルのテント、ノームを買おうかどうしようか考えていた頃、候補として気になっていたテントが二つある。一つは、お約束的にモスのアンコール。これは、前室も無く、魚座型フレームの上部に水溜りができているテントを見て断念。もう一つがビブラー社が製造しているエクスペディション用シングルウォールテント、ボムシェルターだ。シングルウォールテントながら、効率的に床面積を稼ぎ出す変形ジオシテックデザイン。こりゃぁなかな
か、いけまっせと買う気満々。で もお値段軽く10万円オーバー。安く買えればなぁ……とあれこれ思案していた矢先、アメリカ行きの仕事が来た。ラッキーとばかりに、アメリカへ。
ところが、ロサンゼルス郊外のショップに入って、ビビッとくるテントを発見してしまったのだ。同じビブラー社のJuniperとPinonがそれ。同じデザインでJuniperが3人用、Pinonが二人用となる。このテントのデザインは、なんとも面白かった。シングルウォールとダブルウォールを組み合わせた形。本体部分はシングルウォールで、左右の入り 口にフライのように大きな前室が付く。内部の本体両サイドはオールメッシュで、メッシュには各6個のポケットがあり、前室部分には、テント内に持ち込みたくはないが、地べたには置きたくない物を置くスペースがある。
ポールは同じ長さのものが全部で3本。2本のポールをX字に組み、内部から押し上げてベルクロで止める。残りの1本が両サイドの前室を形作る構造だ。積雪期に使おうとは思わないが、晩秋の低地までは、問題なく使える3シーズン仕様。 買おうかと思っていたボムシェルターは、記憶の果てに遠ざかり、気 が付けば、3人用、2人用の二つを抱えレジに並ぶ人となっていた。5人用のテントを買うつもりできたからと言うわけでもないのだけれどね……。
気になる使い心地だけれど、率直に言って良いです。サイドが全面メッシュなので寒いのでは? などと心配したけれど、フライがあるので問題無し。濡れたザックをテント内持ち込まなくて済むし、サイドウォールのポケットは、少しばかり数が多いと思うけれど、便利なことこの上ない。 問題は、かなり必死に目止め加工をしないと縫い目部分 から浸水します。最初に使ったときは、一応目止め処理をしたはずなのにエライ目に遭いました。夜中、ふと寒さに気が付くと、夜半から降り出した雨のためバスタブ状のフロアが真面目にバスタブ状態。まともに寝られたものではなかったのです。アメリカ製テントは、シームが不完全なものが多いのでご用心を。
シングルウォール部分の素材は、ビブラー社オリジナルのトッドテックス。裏地が起毛された浸透圧素材なのだけれど、これもなかなか良い。雨天時にテント内で煮炊きしても結露無し。上部に作られたベンチレーターも機能しているのだろうけれど、起毛素材は結露しにくいのだと思う。ちなみにこのテント、後で知ったのだが、バックパッカー誌のエディターズチョイスを受賞している。現在は、残念ながら生産中止。小さなテントは、ガルーダにしても、このビブラーにしても、面白いデザインのテントが多いなぁと思う。
ガルーダ、欲しかったなぁ……。
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