折角読者の方から励ましのお便りをいただいたので(なんか雑誌みたいだぞっ)、気をよくして寂しさ吹き飛んでしまいました、ありがとございます。
さて、まずはキャンプ道具話を楽しみにしていただいている方には、申し訳ない一品。沈胴デザインで人気のFF1の発売の翌80年、オートハーフなどゼンマイ仕掛けカメラを作らせたら右に出るものは居ないのでは? というリコーが、積み上げたゼンマイ仕掛け技術の集大成として出した35ミリフルサイズカメラのAD-1だ。日付機能も付いている けれど、当然のごとく懐かしのダイヤル式。設定されている年は79~93年までなので、次に年を写し込めるのは、指折り数えて73年後。少なくとも、僕は生きてないってことですね。
35ミリでF2.8と広角寄りのカラーリケノンレンズを積んだゾーンフォーカスのプログラムAE機なのだが、一番の特徴は、やっぱりゼンマイ仕掛けでジィ~ジコ自動でフィルムを巻き上げてくれるところ。しかも、初となる連写機能付き。現状、目一杯ゼンマイを巻いて連写モードでシャッターを 押し続けると13枚撮影可能。押し始めは、秒間2コマ、最後の方は秒間1コマ程度と徐々に遅くなっていくのが、ゼンマイ仕掛けのロボットよろしく親しみが持てる。シャッターボタンを押しながら、思わず頑張れと声をかけてたくなる健気さだ。Sモードに切り替えれば、もちろんシングル撮影ということになる。
マットブラックの外装は、プラスチックを多用したものだけれど、FF-1と同時期の製品だけに、質感もきちんとしたもの。この時期のリコーのデザイン、シャープで近代的! かなり優れたプロダクトデザインだと思います。
リコーのレンズは、発色、解像度ともに良いなぁと感心することしきり。このAD-1もその例にもれない。しかも、35ミリというスナップカメラとして使いやすい画角も魅力だと思う。
人気が高く、それに比例して、程度の良いものだとお値段もウナギ上りなオートハーフ系に比べ、フルサイズのゼンマイカメラは比較的安価に手に入る。ヤフオクの落札価格を見ていると、1000円台から入手可能。しかも、それなりに綺麗な固体が多い。注意点は、ゼンマイ命! これが折れていたのでは、修理はほぼ絶望的。ゼンマイ仕掛けカメラ、おすすめです。(世間一般にはスプリングモーターというらしい)
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